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それから

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くるり のこと

雑記 音楽
言葉にならない、笑顔をみせてくれよ(初回限定盤)(DVD付)


友だちの紹介と言っても、「お互いが異性との出会いを求めて」というタイプの紹介ではなく、「暇だし、最近会ってないし、共通の友だち同士を引き合わせて酒でも飲むか」というタイプの純然たる「友だちの紹介」である。


新宿だか渋谷だかの居酒屋で、私の学生時代の友だちが紹介してくれたのは、長身で細身の、いわゆるイケメンで、それだけなら私にとっては面白くもなんともないのだが、まあ友だちの長年の友人であるし、いい人そうなので良かった、と思って私はカシスオレンジを頼んだ。
そして、しばらくは何の変哲もない「共通の友だち同士を引き合わせて酒でも飲むか」を楽しく実行していたのだが、件のイケメンが不意にひとこと、こんな言葉を放ったのである。
「ねえ、俺、鼻毛出てない?」
ノックアウトである。その一言で私は恋に落ちた。

阿呆みたいだと笑うかもしれないが、その一言は「次何飲む?」や「ここは多めに払っとくよ」なんていうありふれた気遣いより数倍もデカいパワーを持って私に届いたのである。
およそ他人(しかも友人は女性である)には聞きにくいことを、初対面の人間がいる場でさらりと言ってのける豪胆さ、そして、万が一本当に鼻毛が出ていた時に笑って処理を出来るという肝の座った姿勢。それは恋に落ちるに足る魅力であった(結局この時、彼の鼻からは鼻毛は出ていなかった)

その後、彼とは友だちとなり、まあ色々とあって恋は成就しなかったのだが、今でもテレビや街中で くるり を聴くと彼のことを思い出す。くるり は彼の好きなバンドである。
残念ながら私はそこまで くるり を好きになることはなかったけれど(でも好きな曲はいっぱいあるよ)、どこか心のあまりいかないけど大切な部屋に、あの日の彼と一緒に微笑みながら居座っている。
そして彼も、新宿だか渋谷だか、はたまた私の知らない空の下で、くるり を聴いているといいなと思うのである。