それから

ちょいと読んでかない?

美術館で実際に絵を見た時の衝撃度でランキングする、私の好きな画家たち

美術館に絵を観に行くのが大好きです。
ゴッホの「夜のカフェテラス」を見るためだったら、1km以上の行列にだって平気で並んじゃいます。一人でもどんどん観に行っちゃいます。
あ、ちなみに、好みの男性は、美術館の中でこちらの鑑賞の邪魔をせず、快く別行動をしてくれ、尚且つ鑑賞後に感想を言い合える人です。募集中です。

美術観賞が趣味だと人に話すと、「絵を見て何が楽しいの」とか「暗い」とか言われます。気にしないもん。暗くて結構。大いに結構です。
絵を見て「楽しい」と思うってのは、音楽を聞いて「良い曲だな〜」と思うよりも不確かで、特別だと思う。神様からの贈り物みたいな。
絵を見る楽しさは、どんな言葉を使っても満足に伝え切ることが出来ない。わかる人にはわかるし、わからない人にはわからない、まさにそんな感じだ。そして、その絵がどんなに素晴らしいかを言葉にするのは、だんだん野暮な気がしてくる。
それでも、だ。私は絵を見ることによって絵から色んな感情を与えてもらったから、その瞬間を他の人にも味わって欲しいと思う。

なので、私が今まで生で見た絵の中で衝撃を受けた画家たちをランキングにしてみようと思う。自分用のメモも兼ねて。どの画家もすごいです、いやホントに。

衝撃度 第1位 エドヴァルド・ムンク

ムンクの世界
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みんな大好き「ムンクの叫び」のムンクさんですよ。
ムンクの絵を間近で見た時の衝撃は凄まじかった。もの凄い力の闇を感じた。不安を煽る筆遣いと配色。その闇に引きずりこまれそうになるのに必死で抵抗した。美術館をあとにする頃には、私の心にも微かな闇の存在が感じられたほどだ。はっきり言って危険だった。絵が上手いとか下手とかを超えていた。色んな画家の絵を生で見てきたけれど、ムンクの絵はぶっちぎりで衝撃度ナンバーワンの座に輝いている。

衝撃度 第2位 ヨハネス・フェルメール

松田優作風に「なんじゃこりゃあああ」と言えるほどの美しさです。
私の夢はフェルメールの全作品35点(諸説あり)を生ですべて見ること(あ、正確に言うと1点「合奏」が盗まれたまま行方不明だから全部は無理か)。今のところまだ半分も達成出来ていない。全作品を生で見れるかもしれないほど作品の少ない画家は滅多にいないので、フェルメールの存在は私にとって特別だ。
フェルメールの絵の中には人間がちゃんと居る。ただ立って窓辺で手紙を読んでいる女性の絵から、私たちは無数の物語を紡ぐことが出来る。フェルメールは優秀な画家であると同時に、優秀な物語作家だ。それが私がフェルメールを愛する理由の一つです。

衝撃度 第3位 フィンセント・ファン・ゴッホ

その人生の方が衝撃的ですけどね。
私は正直、自分がゴッホの絵そのものが好きなのか、はたまたゴッホの壮絶な生き様が好きなのかわからなくなる時がある。その壮絶な生涯(存命中に売れた絵は1点のみ)をそのまま反映したような彼の絵の絵の具の盛り上がりは、今でも瞼の裏に焼き付いて離れない。
ゴッホについては、作家の川上未映子さんが素晴らしい文章を書かれている。本当に、私もゴッホにゆうたりたい。
未映子の純粋悲性批判: 私はゴッホにゆうたりたい

衝撃度 第4位 東山魁夷

東山魁夷 青の風景
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東山 魁夷
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子供のころ入院していた時、病室に白い馬の絵が飾ってあった。誰の絵かも知らなかったが、私はその絵が大好きだった。大人になってそれが東山魁夷の絵のレプリカだと判明。そこからもう、彼の絵の虜。
何と言っても、この人の絵には、空気が見える。空気が描ける画家、東山魁夷
そして、おかしな言い方だけど、日本画ってこんなにkawaii(かわいい)のかって驚く。優しい色づかいと穏やかな構図。日本だけどおとぎの国に誘われたような世界観。日本画ってなんかとっつきにくいなあと思っている人にぜひ見ていただきたい。長野県信濃美術館にある東山魁夷館はちょっと遠いよ、って人には、千葉県・市川市にある東山魁夷記念館がおすすめ。売っているグッズもかわいい。
市川市東山魁夷記念館

衝撃度 第5位 クロード・モネ

よくもまあここまで睡蓮ばっか描けるもんですよ。睡蓮馬鹿。しかもかなりハイクオリティの馬鹿。
モネの絵には一貫した優しさがある。モネって愛情深い人だったんじゃないかな(破産したパトロンの子供を引き取ったりしているし)。モネの絵には自然や人間に対する愛情が溢れている。そんな風に何かを愛し、それを作品に封じ込めることが出来る才能と技術から受ける、優しい衝撃。いつかパリのオランジェリー美術館に行って、「睡蓮」の大壁画を見てみたい。

やっぱり私の拙い文章力では、彼らの絵の素晴らしさを伝え切ることはできない。あとは実際に観てみてください、としか言えないのが悔しい。
絵画を観るという行為は、人間に与えられたもっとも言葉を必要としない芸術鑑賞だと思う。観た人が、観たまま感じればいい。そこに何の制約もない。そういった意味で、絵はとても優しい芸術とも言える。
私はずっと、もっと、その優しさの中に身を委ねていたいと思う。後世に素晴らしい絵画を残してくれた、画家たちに感謝しながら。
そして、もう長いこと、美術館の中でこちらの鑑賞の邪魔をせず、快く別行動をしてくれ、尚且つ鑑賞後に感想を言い合える男性を募集中です。大事なことなので2回言いました。