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それから

つれづれなるままに。見たもの。聴いたもの。そして感じたもの。

SMAP解散騒動で私が思い浮かべた言葉

雑記 音楽

以前書いた記事(幸福な発見ーーオアシスのこと - それから)の中で、私がオアシスの解散を知った時に頭に浮かんだ言葉として、下の歌詞を引用した。

Please don't put your life in the hands
(でも頼むからロックンロール・バンドなんかに)
Of a Rock n Roll band
(君の人生をゆだねたりはしないでくれ)
Who'll throw it all away
(自分にさえ責任が持てないような奴らに)


ーー「Don't Look Back In Anger」Oasis

SMAPは「ロックンロール・バンド」ではないし、「自分にさえ責任が持てないような奴ら」ではないと思うけれど(むしろ責任を持ちたいのに色んな大人の事情が絡み合って持てない?)、私はとりあえず、好きなバンドやらグループやらが解散しそうになった時はこの歌詞を思い出して落ち着くようにしている。

ちょうど偶然、前回の記事(Backstreet BoysとV6の不思議な共通点と、そこから見るチームプレイの素晴らしさ - それから)で、SMAPの事務所の後輩であるV6について書いたところだった。V6が同じ事務所に所属して20年間解散せずに活動しているのは、間違いなくSMAPという先輩グループが先を歩いてくれているお陰であるし、本音を言えばSMAPには解散して欲しくない。だってそれは私の、永遠に続いて欲しい奇跡で、物語だから。

だって家族以外で、20年以上も苦楽を共にする関係って、ほとんどないと言っても過言じゃない。同僚だって異動とかあるし。そうでなくっても、会社の同僚と同じグループで活動することは絶対濃さが違うもの。それはV6長野氏も言っていて、「普通の会社に勤めていたら得られない関係性だと思う」*1と言っている。
それを彼らは私たちに見せてくれる。見せた上で、歌やら演技やらバラエティやらで楽しませてくれる。そして私は、自分じゃ得られない奇跡を、彼らを通して目の当たりにする。自分では絶対に作れない物語を。

だけど、もしも彼らが自分自身の意志でその物語から離脱したいと希望していたなら。私にはそれを反対することは出来ない。あくまでも私には。だってそれは彼らが作った物語(および商品)だから。物語をどう終わらせるか、はたまた終わらせるのか終わらせないかは彼ら次第だと思う。もちろん、その物語に長年投資した事実があるから解散してほしくないファンの気持ちもわかりすぎるのだけど。そしてSMAPという物語が巨大になりすぎたことと、大人の事情が絡み合って大変難しくなってしまっているんだとわかるんだけれども。

とりあえず、私は冒頭のオアシスの歌詞を心に思いながら、彼らの動向を見守っています。
本当は、みんなが笑顔になれる道があれば良いんだけどね。
無理なのかな。無理かもな。悲しいなあ……。
www.youtube.com

*1:「V6 20th ANNIVERSARY SUPER Very best」初回生産限定盤A DVDより

Backstreet BoysとV6の不思議な共通点と、そこから見るチームプレイの素晴らしさ

音楽

このブログやTwitterを読んで下さった方には、もしかしたら私(ココルカ)は「ロックバンド」とされる人たちの音楽が好きなんだと思われているかもしれないけれど。そしてそれは決して間違いではないのだけれど。実はそうじゃない人たちの音楽(とパフォーマンス)も愛でていたりする。
その中でも特に熱心に長いこと聴いている2つのグループがいる。Backstreet Boys(以下BSB)とV6である。

アイドルである。米国と日本、お国は違えど、オナゴたちにキャーキャー言われる種類の歌手である。ともすればロックバンド好きな人々に馬鹿にされてしまう対象。けれど私はどうしたって彼らに惹きつけられてしまう。しかも彼らがデビューした頃から約20年間も。他のバンドや歌手に夢中になってあまり聴かない期間はあったにせよ、結局はまた彼らの元へ舞い戻ってくる。そんな気まぐれなファンが出戻ってきた時、彼らは必ず、「今までの魅力を残しつつも進化した姿」を見せてくれる。ありがたいことだ。ひとえにこれは彼らが長く活動してくれているおかげである。そう、この2つのグループは、

約20年間メンバーチェンジなしで解散せず、活動を続けているボーイズグループなのである。
(※BSBは2006年にケヴィンが一時脱退、2012年に復帰)

これは凄い。普通に凄い。特にBSBは、デビューした時期、似たようなボーイ・バンドがアメリカ、イギリス等で乱立したけれど、その中で今日まで継続して活動しているグループがどれだけあるだろうか? 数々のグループが解散していくのを横目に、彼らは「解散しない」という決断をし続けている。

そして、ファンとして彼らのことを知る内に、2つのグループには不思議な共通点があることに気づいた。もしかしたら、そこにグループを長く続けるコツがあるのかもしれない、と思い、今日はここにまとめてみることにする。

まずはメンバーをおさらい。(※年齢は今日2015年12月20日の時点)

BSB(1993年結成、1995年デビュー)
  • ケヴィン(1971年10月3日生 44歳)
  • ハウィー・D(1973年8月22日生 42歳)
  • ブライアン(1975年2月20日生 40歳)
  • A.J.(1978年1月9日生 37歳)
  • ニック(1980年1月28日生 35歳)

平均年齢:39.6歳/最年長(ケヴィン)と最年少(ニック)の年齢差9歳

V6(1995年結成、同年CDデビュー)
  • 坂本昌行(1971年7月24日生 44歳)
  • 長野博(1972年10月9日生 43歳)
  • 井ノ原快彦(1976年5月17日 39歳)
  • 森田剛(1979年2月20日 36歳)
  • 三宅健(1979年7月2日 36歳)
  • 岡田准一(1980年11月18日 35歳)

平均年齢:38.8歳/最年長(坂本)と最年少(岡田)の年齢差9歳

不思議な共通点

①9歳という年齢差

この記事を書くためにメンバーの年齢を改めて調べていてびっくり。両グループとも最年長と最年長の歳の差が9歳じゃないか! しかも同い年である。(というかそれよりA.J.と三宅さんが1歳しか違わないってとこが驚愕なんだが!! A.J.の貫禄よ! 三宅健の若さよ!!)
これに関しては、グループを長く続けるにあたってこの年齢差がプラスに働いたと断言できる。年齢差があるからこそ躊躇わず言える。というのも、彼らのインタビューの端々から「年上が年下の面倒をみた/叱った」というエピソードがちょくちょく飛び出すからだ。とかく同い年だと言いにくいことも、責任感のある年長者の存在で、グループとしてのまとまりが形成される。まとまりはグループを長く続けるには不可欠だ。

②最年長のメンバーが、責任感が強く完璧主義者。ただし実生活では「末っ子」である

例えばケヴィンは、「他のメンバーへの責任を感じているから兄貴的存在になってしまう」と言ってメンバーの言動をいつも気にかけているし、坂本さんはデビュー当時、まだ10代だった森田・三宅・岡田に「◯時に起きて◯時に寝ろ」だの「スタッフへちゃんと挨拶しろ」だのしつこく指導していた(というのを最近になって和やかに話している)。そして注目すべきはこの二人、共に「男三人兄弟の末っ子」なのだ。つまり、誰かの面倒をみることに慣れていたわけではないのだ。生来の生真面目さでもって年下の面倒を見てきた彼ら。たぶん、そういう姿を見ているからこそ、年少組も彼らへ信頼を寄せるようになったのだろう。

③最年長の次(二番目に年上)のメンバーが、非常に温厚な人間である

BSBでいうとハウィー、V6でいうと長野さん、がここに当たるメンバーなのだが、面白いことにこの二人は他のメンバーが揃って「滅多に怒らない温厚で優しい人」と称する人物なのである(ハウィーも長野くんも年下メンバーにしょっちゅうイタズラされてるけど怒らない……器でかい)これは何を意味するか、の私なりの結論は、すばり「アメとムチ」である。先に述べた最年長が悪役を買って出て年少者をガミガミ怒っていると、怒られた年少者はだんだん不貞腐れてくる。多感な10代だし、反抗心も出てくる。しかしそこで温厚な次男坊がフォローに入る。年少者の怒りは適度に静まり、やがて時が経つに連れてガミガミと言ったのは自分の為を思ってのことだったと理解する……。たぶんこの2つのグループにはそういうアメとムチの良い効果があったんじゃないかなぁ、と勝手に想像している。
それから全然関係ないけど、この二人全然老けない! すげー!

④三番目がムードメーカー、グループを誰よりも愛する人間である

BSBのムードメーカーといえば、間違いなくブライアン。とにかくいつも陽気で、人を笑わせるのが好きなんやなぁ、と関心しきり。次から次へと出てくる変顔や面白い動きにはいつも笑ってしまう。彼はことあるごとにBSBが大好き、とかずっとBSBのメンバーでいたい、とか言っている気がする。
一方、V6の盛り上げ隊長はイノッチこと井ノ原快彦。やや引っ込み思案な他のメンバーの代わりに先陣切ってトークしてくれる有難いお方。しかも人から話を引き出すのも上手い。そして「俺は一人になってもV6を続けるぞ!*1」と言い放つ熱い男である。
決してイケメン枠ではない(失礼)二人だが、絶対に絶対にいなくてはならない存在である。あと、愛妻家で幸せそうな家庭を築いてそうなところも似てる。

⑤四番目がアウトロー、そして天才である

AJは過去、アルコール中毒とドラッグ中毒に陥り、3回ほどリハビリ施設に入所している。見た目もアウトローだが行いもアウトローだったか……。中毒だった時は、何かとメンバーに迷惑をかけた様子。ケヴィンがかなり本気で怒ったらしく、彼にはかなり感謝しているみたいである。しかしA.J.ってかなりカリスマ性があるというか、やっぱり風貌もオリジナリティがあって人を惹きつける魅力がある。天性のもんやろうなあ。ライブでA.J.が歌い始めると、いつも大歓声。あのハスキーな声はやっぱりかっこいい。
森田さんは別になんの中毒にもなっておりませんが、昔はちょっと尖ってた模様。そのせいで坂本さんと衝突しておりました。今はだいぶ丸くなり、「坂本くんが僕を正しい道に導いてくれた*2」とまで言うようになった。そしてステージ上の彼はとにかく素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。ダンスのセンスが群を抜いていて、イノッチや岡田さんがどんなに人気者になろうとも、「V6の不動のセンターは森田剛」という認識がファンの間に存在する。

⑥最年少は素直で無邪気である。そして成長が著しい。

ニックと言えばメンバーが口を揃えて「子供みたい」と評する人物である。最年少というのももちろんあると思うけれど、大人になった今はそれがどこかみんなの拠り所になっている感じがする。そう言った意味で彼はV6の三宅さんに近い。三宅さんは下から二番目で最年少ではないが、とにかく無邪気で、若々しく、年下の岡田さんから「可愛い」と言われてしまうほどなのである。
最年少に関することで面白いのは、それぞれの最年長が、まったく同じことを言っている点である。
「ニックが一番変わったかな*3」(byケヴィン)「一番変わったのは岡田*4」(by坂本)デビュー当時10代で最も若かった最年少が一番変わったと感じるのは当然かもしれない。だけど、それは二人の最年少の成長が著しかったこともあるだろう。ニックはデビュー当初から端正なルックスで大人気だった。そして、どちらかというとルックスが先行している感は否めなかった。それが今はどうだろう。ここのところ、病気で声の調子が悪いブライアンの代わりにリードボーカルを取ることが多いニックは、本当に頼り甲斐のある男性に成長している。V6の最年少、岡田さんの俳優としての大活躍は言わずもがなである。V6の新規ファンの窓口の大半は彼が担っているといっても過言ではない。そして彼はそれに決して驕ることなく、昔と変わらない素直で真面目な性格のまま、V6としての活動を楽しんでいるように見える。

⑦家族のような雰囲気がある

①〜⑥と関連して、というか、①〜⑥の結果、BSBもV6も家族っぽい雰囲気を醸し出している。BSBに関しては、事実ケヴィンとブライアンは従兄弟同士である。そして、近年のインタビューで「僕たちはもうファミリーも同然」と発言している*5。よく"my brother"って言ってるしさ(それって英語圏的には割りと普通なのかしらん?)全員が既婚者となり、子供も生まれたりして、家族ぐるみの付き合いをしているようだ。
一方V6は、どのメンバーも「V6はV6でそれ以外の何者でもない」と言っており、自分たちを家族のようなものとは見なしていないようである。むしろBSBとは反対で、合宿所で同居していたデビュー間もない頃の方が家族意識が強かったのかもしれない。しかしV6のファンには、他のグループにはないその家族っぽさが好きという人が依然として多い。ファンから見た時にその雰囲気が魅力的であるのは間違いないようだ。
家族というのは、あらゆる関係性の中でも最も長い期間一緒に居る可能性が高いもの、と言えるだろう。好むと好まざるとに関わらず、一緒に居らずにはいられない、そんな関係だ。それが良い時も悪い時ももちろんあるだろう。しかしこの2つのグループにとっては、家族のようになること、がグループを長く続ける為の大切な一因になっているような気がする。

⑧スーパースターはいないが、全員が揃うと無敵になる

イン・シンクにはジャスティン・ティンバーレイクがいて、SMAP*6には木村拓哉がいる。誰もが認めるスーパースターである。BSBやV6にはそれに相当する人物はいない。失礼ながら、ソロで大ヒットを飛ばせるような人はいないと思う(まあキムタクも歌のソロは厳しいかもしれんが……)だが、彼ら自身はそのことをきちんと理解しているような気がするのだ。そして腐ることなく、全員で完全体になることを目指しているように思う。
BSBのハーモニーは5人が揃ってこそ輝く。なんであんなにそれぞれ声に特徴があるのに、重なった時に凄く美しいんだろう? ややリードボーカルを取ることが多い3人(ブライアン、A.J.、ニック)の声ももちろん好きなのだが、近年はそれぞれ高音と低音を担当する2人(ハウィー、ケヴィン)の職人技とも言えるハモりに惹きつけられてしまう。
複雑なフォーメーションダンスをこなすV6はやはり6人でなければいけない。ダンスにおいて偶数はセンターを作れないため、やや不利と聞いたことがあるけれど、彼らはそれをものともしない。むしろ決まり切った型がないからこそ、それぞれの魅力が引き立つ。そしてよく見ると個々のダンスには結構癖があって面白いのに、合わせると全体像は綺麗に見える。不思議だ。
例えるなら、彼らは仮面ライダーではなく、ゴレンジャーなのである。(逆に言うと、スーパースター木村拓哉を擁しつつも、現役でグループでの活動を続けているSMAPは稀有な存在だと思う。たぶん木村拓哉の性格が良かったとか、他のメンバーのポテンシャルが凄かったとか色々要因はあるだろうけど、普通はこう上手くは行かない気がする)

V6は自分たちを表現する時に、しばしば「職人気質な人たちの集まり」という言葉を用いるが、BSBにも同じものを感じる。「俺が俺が」な人がいない。でも私はそのチームプレイ感が凄く好きだし、いつまでも見ていたいと思う。
BSBもV6も、約20年活動を続けてきて、世間から何度も“落ち目”と言われてきた。“解散危機”という言葉の入った記事を何回見ただろう。それでも彼らが一定のファン数を維持しながら地道に新規ファンを増やし続けているのは、こういったチームプレイに大きな魅力を感じる人々がいるからだと感じている。「解散しない」という決断をする彼らを私はかっこいいと思う。彼らが20年間をかけて培ってきたチームプレイは私にとって、奇跡であり、希望であり、永遠に続いてほしい物語なのである。


Backstreet Boys - In a World Like This - YouTube
BSBの最新アルバム「In a World Like This」(2013)から。この感じ!
POPSの球を直球で投げてくるBSBが大好きです。

Backstreet Boys - I Want It That Way - YouTube
バカ売れした代表曲も貼っておきますね。今聴いても古くないや。

権利の関係でV6の動画はございません(残念!)代わりにおすすめのCDとDVD貼っておきます。

Oh! My! Goodness!

Oh! My! Goodness!

最新のオリジナルアルバム。POPSとしてのクオリティの高さよ。何度聴いても楽しい。騙されたと思って(?)一度ライブDVDを観てください。いやー、おっさんたち(失礼)踊る踊る! キレッキレである。浅草キッド玉袋筋太郎さんもこれを観に行ってV6ファンになってしまったそうな。

*1:三宅健

*2:ラジオ「V6 Next Generation」1000回記念より

*3:エンタテインメントニュースサイト「HOLIK」インタビューより

*4:2014年10月20日放送「LIVE MONSTER」より

*5:「WEB女性自身」2013年8月29日より

*6:BSB全盛期の頃、良く「アメリカのSMAP」と例えられた。2005年、2007年には「SMAP×SMAP」にも出演

「リア充爆発しろ」は永遠に不滅である

映画

嗤う分身 [DVD]

嗤う分身 [DVD]

あらすじ(「ぴあ映画生活」より引用)
ドストエフスキーの初期作『分身』をジェシー・アイゼンバーグミア・ワシコウスカを迎えて映画化。ある日、自分と顔、格好、声、ファッションまでもがまったく同じながら、“性格“だけが真逆の男が目の前に現れた冴えない主人公が、想像を絶する恐怖を味わう様をスリリングに描く。英国映画界の新鋭リチャード・アイオアディが監督を務める。

シルバーウィークに突入する直前、可愛い彼女のいる同僚に、「このリア充めがw」と言った私であるが。まさかシルバーウィークに偶然この映画を見ることになるとは。
原作は1846年発表のロシアの文豪・ドストエフスキーによる「分身」である。原作自体は未読であるが、映画を見る限り思ったことはタイトル通り、「リア充爆発しろ」は永遠に不滅であるということ。

というのもこの映画、あらすじにもあるように、冴えない主人公(ジェシー・アイゼンバーグ)の前にある日突然「姿形だけは同じのイケてる自分」が現れてさてどうなるか、というもの。この「イケてる自分」がとにかく何事にも要領が良くて口が上手い。苦労せずして上司の高評価を獲得し、さらには次から次へとお姉ちゃんたちをゲット。容姿は「冴えない自分」と何ひとつ違わないのに! なぜだ! そしてなんと、長いこと思いを寄せている愛しいあの子まで「イケてるあいつ」を好きになる始末……。
この主人公の疑問、嫉妬、怒り、悲しみの懊悩を今風に言い換えると、「リア充爆発しろ」以外のなにものでもない(と私は受け取った)。

千原ジュニアは『ブログのつまらない女』と結婚しそう」とは、モテない男が突然モテてしまい混乱する様を描いて大ヒットした漫画「モテキ」の原作者、久保ミツロウ先生の名言であるが、この「ブログのつまらない女」こそ「リア充爆発しろ」の「リア充」に相当する人間像だと思う。
しかし注目すべきは、「ブログのつまらない女」とはほぼ100%自分のブログがつまらないなどと思っていない。「お前のブログつまんねーわ」と思っているのは、「リア充爆発しろ」と思っている人間だけなのである。なので、この2つの人種はいつまでたっても相容れない。そもそも面白いとか楽しいとか思うものが全然別のところにあるので、「お前のブログつまんねーわ」と言われたところで暖簾に腕押し糠に釘、リア充の耳に念仏なのである。

とはいえ、「ブログのつまらない女」が皆人間的に魅力がないかと言えばそういうことじゃなく。「ブログがつまらない」というのだって、一つの観点からその人を見た感想であって、その人全体を通しての感想ではない。話を「嗤う分身」に戻すと、主人公が思いを寄せるハナ(ミア・ワシコウスカ)も、たぶん「ブログのつまらない女」である。おそらく、このハナがブログを書こうもんなら、「今日は(イケてる方の)ジェームズとビッグ・ベンの通りをお散歩しました♪」云々かんぬんっつーつまなんない文章を羅列しそうであるが、そこはそれ、彼女は彼女で誰にも見せないような孤独を抱えている。イケてない方のジェームズ(主人公)はそこを感じ取り、惹かれ、結果的にそれがハナの心を動かすことになるのである(と私は受け取った)。

結局、最後に勝つのは愛、もとい、どれだけ相手の理解してほしい部分を見ているか、だということをこの映画から私は感じ取った。だが、それまでは自分よりも要領の良いやつに対して「リア充爆発しろ」と悶えること必至なのがまた人生の悲しいところではあるが。ドストエフスキーの原作を読んでいないので確信は持てないが、たぶん170年前の人も、言葉は違えど同じようなことを思っていたんじゃないかと思ったり思わなかったり。とにかく、そういうことを感じさせてくれるこのヘンテコでちょっと悲しい映画が私は大好きだし、すべての愛すべき要領の悪い人たちへ送るバイブルとして存在しつづけるべき作品だと思う。

あとあれだね、イケてるかイケてないかは顔じゃないってこれ見たら良くわかるね。うん。