それから

ちょいと読んでかない?

生き残りしもの

半年に一度くらいのペースで、断捨離ブームが訪れる。
とにかく捨てる。なんでも捨てる。1K=キッチン2畳、居間兼寝室6畳の狭いこの我が城に詰め込まれた服、小物、本などの内、もうこの城の王たる私に見限られたものたちをどんどん粛清していく。この大量消費社会に迎合どころか進んで参加した末路である。情けない。しかしまた、B'zの「LOVE PHANTOM」のサビを口ずさみながら部屋の床に何もない部分を増やしていく作業は、形容できない快感をもたらす。
ものの中には思い入れのあるものも存在する。特に本を愛する身としては、一度は本屋から連れ帰ってきて、小さな本棚にその場所を与えた一冊の本を、カタカナの「ブ」から始まる古本屋へ売り飛ばすのは忍びない。それでも我が城は非常に手狭ゆえ、いくらでも本たちを迎え入れるわけにはいかないのだ。だから小さな本棚に並べられた本たちは一定数を保っている。その中には、新顔も居れば、もう何年もそこに居続けている者もいる。後者は、断捨離の度に危機を乗り越え勝ち残ってきたツワモノである。私の心に残りしものたち。今回は、そんな生き残りしものたちをここに書き残す。

先生の白い嘘(1) (モーニングコミックス)

先生の白い嘘(1) (モーニングコミックス)

漫画。先生と生徒の恋愛ものと言ってしまえば陳腐に聞こえるが、とにかくテーマが重い。性の扱い方が生々しい。それが良い。続きが気になるから置いている本。
ブラッドハーレーの馬車

ブラッドハーレーの馬車

どこかで、読んだあと最高に鬱になる漫画として紹介されていたので買った。確かに残酷な話だったが、自分的にはその残酷さよりも、世界観の構築の仕方や、話の構成力とかの方が物を書く上の参考になった。いくえみ綾は昔から好きな作家でほとんどの作品を読んだ。とりあえず今連載中のこの作品を手元に残している。登場人物誰ひとり好きになれないという珍しい漫画。テーマは不倫。主人公の女が嫌いすぎてもはや怖い物見たさで続刊を心待ちにしている。
進撃の巨人(1) (週刊少年マガジンコミックス)

進撃の巨人(1) (週刊少年マガジンコミックス)

もはや説明不要。絵が下手でも漫画は売れる! 小さい頃から頭の中で荒唐無稽な物語を空想していた自分にとっては、まるで同じことをしていた仲間が漫画を描いて大ヒットさせた、という気持ちになる妙な作品。
君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫)

君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫)

なぜかいつまでも手放せない小説。理由が良くわからないけど、なんとなく自分に似ているような気がする奴。だからそばにいるのかも。
センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)

実際には文庫版ではなくハードカバー版を所有している。思えば高校生の時に購入して十年以上! 上京、上京してからの引越し、また幾多の断捨離もくぐり抜け手元に残り続けている本。今でも時々開いてそこに書かれた一文だけを読んだりする。川上弘美の文章は時に対する耐久性がすごい。
風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

村上春樹作品はすべてを手元に残しているが、いちばん再読の回数が多いのはこれ。デビュー作で発表は1979年。私の生まれる前である。文学って、もっと自由でいいんだと今読んでも思える傑作。ノーベル賞獲れなくてもいいさ。夏目漱石の文章を読むと、なんて丁寧な文章なんだろうとうっとりする。上手い文章じゃなくて、丁寧な文章。実際に所有しているのは新潮文庫の限定Special版。表紙が真っ白で何も描かれておらず、題字と著者名が金色で刻まれている。「こころ」にいちばん似合うデザインだと思う。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

海外からの生き残り。その限りない丁寧さが、漱石の文章と少し似ている気がする。静かな感動を与えてくれる一冊。
朗読者 (新潮文庫)

朗読者 (新潮文庫)

ストーリーが凄く好き。単純な愛情ではなく、「愛情のような名前のつけられないもの」がここに綴られている。名もなき感情。そういうものを文学に昇華できることに感銘を受けた。
キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

大人になった今、ホールデンくんの気持ちがわかるようになった。小説には若い時に必ず一回、大人になってから必ず一回読まなければいけない種類の小説があって、これは間違いなくそういう作品。もっともっと大人になった時、どう感じるようになるのか。それが楽しみだから本棚に置いてある。

実際には他にも何冊か置いてあるのだが、今回は何度も断捨離に耐えてきた本を書き残してみた。彼らは私の人生にずっと必要な存在だった。そうには違いないのだが、だからと言ってすべて何度も読み返したかといえば、そうでもない。それは人間関係にも少し似ていて、何十年も連絡を取り合う友人が、毎日一緒にいた相手かというとそうでもない。一方で、ある時期毎日のように連れ立って遊んでいた人間が、ある日を境にぱったりと合わなくなったというケースもある。あんなに仲が良かったのに。この関係が一生続くかと思ったのに。あれは何だったのだろう。まるで一瞬の花火のような、そんな関係。儚く消えてしまう関係。
人にも本にも、ある時が来たらそこから旅立たなければならない関係が存在している。別れは来るべくして来るものだし、間違いではない。人生にとって必要なものでもある。そして残ったもの、今関係を密にしているものも、いずれは私の元から去っていくかもしれないし、去っていかないかもしれない。
何も確かなものは存在しないのだなあ、と改めて知る。諸行無常平家物語にも書いてあるし。
来年の今頃、私の本棚はどうなっているのだろう。そしてその時、そばには今はまだ見ぬ人がいたりするのだろうか。
この本たちは、とても愛しく儚い、私の今である。

ビートルズなんて知らない

昨年姉が結婚いたしまして。で、早くも今月姪っ子が誕生する予定です。めでたい。とてもめでたい。
で、まあ、それ自体には何の問題もないのですが、ふと思ったことがありまして。
それは、姪っ子は、ビートルズを知ることになるだろうか? ということ。
というのも、私は人生において定期的に想いを馳せる案件がひとつありまして。
それは、「この世にビートルズを知らない人はいるのだろうか?」ということです。
いや、居るのだと思う。確実に。絶対に。物心つく前の子供とか。テレビのない原始的な生活を送っている民族とか。欧米の文化が届かない地域の人々とか。
けれどとりあえず私が日本で普通に生活してきた中で、「ビートルズって何ですか?」というレベルの人に出会ったことがないように思う。曲名は知らない、またはメンバーの名前は知らない、ということはあっても、「The Beatles」というバンドの存在をまったく知らないということは、ない。たとえ日常的に洋楽、ひいては商業音楽を聴かない人でさえも。その存在自体は知っている。
その知名度たるや他のバンドまたはアーティストと比べるのもちゃんちゃらおかしいくらいズバ抜けている。日本国内で対抗出来る存在といえばSMAPサザンオールスターズくらいか。日本限定だが。
ビートルズの活動期間が1962年から1970年。もう解散してから約46年(!)が経とうとしているのに、凄いことである(それをいっちゃあベートベンとかモーツァルトはどうなるんだという感じもするが、なんかビートルズとはジャンルが違うと思うので無視する)。
だが、これからは「ビートルズなんて知らない」という人々の割合が増えていくのであろうか。「ビートルズ? なにそれ美味しいの?」な世代が台頭してくるのだろうか? 想像出来ない。イマジン出来ない。でもきっといつかそういう世界が訪れるのだろう。

もしパラレルワールドというものがどこかに存在しているとして。その中にビートルズの存在しない世界があったとしたら。私は心底、今のこの世界に生まれてよかったと思う。だってビートルズがいるから。
人生で一番好きなバンドというわけではないし、来る日も来る日も狂ったように彼らの曲を聴いたことは、ない。でも、どこか自分を奮い立たせたい月曜日の朝に聴くのはHelp!だったし、水曜日の倦怠感の中で流れるのはA Day In The Lifeで、ふと寂しくなった金曜日の夜に求めるのはHey Judeだった。彼らはいつも私の心の中にいて、常に穏やかに魔法をかけてくれるのだ。音楽という名の魔法を。

姪っ子はいつビートルズを知るのだろう。そしてビートルズのいるこの世界を美しいと思ってくれるだろうか。
思ってくれると、嬉しい。

Backstreet BoysとV6の不思議な共通点と、そこから見るチームプレイの素晴らしさ

このブログやTwitterを読んで下さった方には、もしかしたら私(ココルカ)は「ロックバンド」とされる人たちの音楽が好きなんだと思われているかもしれないけれど。そしてそれは決して間違いではないのだけれど。実はそうじゃない人たちの音楽(とパフォーマンス)も愛でていたりする。
その中でも特に熱心に長いこと聴いている2つのグループがいる。Backstreet Boys(以下BSB)とV6である。

アイドルである。米国と日本、お国は違えど、オナゴたちにキャーキャー言われる種類の歌手である。ともすればロックバンド好きな人々に馬鹿にされてしまう対象。けれど私はどうしたって彼らに惹きつけられてしまう。しかも彼らがデビューした頃から約20年間も。他のバンドや歌手に夢中になってあまり聴かない期間はあったにせよ、結局はまた彼らの元へ舞い戻ってくる。そんな気まぐれなファンが出戻ってきた時、彼らは必ず、「今までの魅力を残しつつも進化した姿」を見せてくれる。ありがたいことだ。ひとえにこれは彼らが長く活動してくれているおかげである。そう、この2つのグループは、

約20年間メンバーチェンジなしで解散せず、活動を続けているボーイズグループなのである。
(※BSBは2006年にケヴィンが一時脱退、2012年に復帰)

これは凄い。普通に凄い。特にBSBは、デビューした時期、似たようなボーイ・バンドがアメリカ、イギリス等で乱立したけれど、その中で今日まで継続して活動しているグループがどれだけあるだろうか? 数々のグループが解散していくのを横目に、彼らは「解散しない」という決断をし続けている。

そして、ファンとして彼らのことを知る内に、2つのグループには不思議な共通点があることに気づいた。もしかしたら、そこにグループを長く続けるコツがあるのかもしれない、と思い、今日はここにまとめてみることにする。

まずはメンバーをおさらい。(※年齢は今日2015年12月20日の時点)

BSB(1993年結成、1995年デビュー)
  • ケヴィン(1971年10月3日生 44歳)
  • ハウィー・D(1973年8月22日生 42歳)
  • ブライアン(1975年2月20日生 40歳)
  • A.J.(1978年1月9日生 37歳)
  • ニック(1980年1月28日生 35歳)

平均年齢:39.6歳/最年長(ケヴィン)と最年少(ニック)の年齢差9歳

V6(1995年結成、同年CDデビュー)

平均年齢:38.8歳/最年長(坂本)と最年少(岡田)の年齢差9歳

不思議な共通点

①9歳という年齢差

この記事を書くためにメンバーの年齢を改めて調べていてびっくり。両グループとも最年長と最年長の歳の差が9歳じゃないか! しかも同い年である。(というかそれよりA.J.と三宅さんが1歳しか違わないってとこが驚愕なんだが!! A.J.の貫禄よ! 三宅健の若さよ!!)
これに関しては、グループを長く続けるにあたってこの年齢差がプラスに働いたと断言できる。年齢差があるからこそ躊躇わず言える。というのも、彼らのインタビューの端々から「年上が年下の面倒をみた/叱った」というエピソードがちょくちょく飛び出すからだ。とかく同い年だと言いにくいことも、責任感のある年長者の存在で、グループとしてのまとまりが形成される。まとまりはグループを長く続けるには不可欠だ。

②最年長のメンバーが、責任感が強く完璧主義者。ただし実生活では「末っ子」である

例えばケヴィンは、「他のメンバーへの責任を感じているから兄貴的存在になってしまう」と言ってメンバーの言動をいつも気にかけているし、坂本さんはデビュー当時、まだ10代だった森田・三宅・岡田に「◯時に起きて◯時に寝ろ」だの「スタッフへちゃんと挨拶しろ」だのしつこく指導していた(というのを最近になって和やかに話している)。そして注目すべきはこの二人、共に「男三人兄弟の末っ子」なのだ。つまり、誰かの面倒をみることに慣れていたわけではないのだ。生来の生真面目さでもって年下の面倒を見てきた彼ら。たぶん、そういう姿を見ているからこそ、年少組も彼らへ信頼を寄せるようになったのだろう。

③最年長の次(二番目に年上)のメンバーが、非常に温厚な人間である

BSBでいうとハウィー、V6でいうと長野さん、がここに当たるメンバーなのだが、面白いことにこの二人は他のメンバーが揃って「滅多に怒らない温厚で優しい人」と称する人物なのである(ハウィーも長野くんも年下メンバーにしょっちゅうイタズラされてるけど怒らない……器でかい)これは何を意味するか、の私なりの結論は、すばり「アメとムチ」である。先に述べた最年長が悪役を買って出て年少者をガミガミ怒っていると、怒られた年少者はだんだん不貞腐れてくる。多感な10代だし、反抗心も出てくる。しかしそこで温厚な次男坊がフォローに入る。年少者の怒りは適度に静まり、やがて時が経つに連れてガミガミと言ったのは自分の為を思ってのことだったと理解する……。たぶんこの2つのグループにはそういうアメとムチの良い効果があったんじゃないかなぁ、と勝手に想像している。
それから全然関係ないけど、この二人全然老けない! すげー!

④三番目がムードメーカー、グループを誰よりも愛する人間である

BSBのムードメーカーといえば、間違いなくブライアン。とにかくいつも陽気で、人を笑わせるのが好きなんやなぁ、と関心しきり。次から次へと出てくる変顔や面白い動きにはいつも笑ってしまう。彼はことあるごとにBSBが大好き、とかずっとBSBのメンバーでいたい、とか言っている気がする。
一方、V6の盛り上げ隊長はイノッチこと井ノ原快彦。やや引っ込み思案な他のメンバーの代わりに先陣切ってトークしてくれる有難いお方。しかも人から話を引き出すのも上手い。そして「俺は一人になってもV6を続けるぞ!*1」と言い放つ熱い男である。
決してイケメン枠ではない(失礼)二人だが、絶対に絶対にいなくてはならない存在である。あと、愛妻家で幸せそうな家庭を築いてそうなところも似てる。

⑤四番目がアウトロー、そして天才である

AJは過去、アルコール中毒とドラッグ中毒に陥り、3回ほどリハビリ施設に入所している。見た目もアウトローだが行いもアウトローだったか……。中毒だった時は、何かとメンバーに迷惑をかけた様子。ケヴィンがかなり本気で怒ったらしく、彼にはかなり感謝しているみたいである。しかしA.J.ってかなりカリスマ性があるというか、やっぱり風貌もオリジナリティがあって人を惹きつける魅力がある。天性のもんやろうなあ。ライブでA.J.が歌い始めると、いつも大歓声。あのハスキーな声はやっぱりかっこいい。
森田さんは別になんの中毒にもなっておりませんが、昔はちょっと尖ってた模様。そのせいで坂本さんと衝突しておりました。今はだいぶ丸くなり、「坂本くんが僕を正しい道に導いてくれた*2」とまで言うようになった。そしてステージ上の彼はとにかく素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる。ダンスのセンスが群を抜いていて、イノッチや岡田さんがどんなに人気者になろうとも、「V6の不動のセンターは森田剛」という認識がファンの間に存在する。

⑥最年少は素直で無邪気である。そして成長が著しい。

ニックと言えばメンバーが口を揃えて「子供みたい」と評する人物である。最年少というのももちろんあると思うけれど、大人になった今はそれがどこかみんなの拠り所になっている感じがする。そう言った意味で彼はV6の三宅さんに近い。三宅さんは下から二番目で最年少ではないが、とにかく無邪気で、若々しく、年下の岡田さんから「可愛い」と言われてしまうほどなのである。
最年少に関することで面白いのは、それぞれの最年長が、まったく同じことを言っている点である。
「ニックが一番変わったかな*3」(byケヴィン)「一番変わったのは岡田*4」(by坂本)デビュー当時10代で最も若かった最年少が一番変わったと感じるのは当然かもしれない。だけど、それは二人の最年少の成長が著しかったこともあるだろう。ニックはデビュー当初から端正なルックスで大人気だった。そして、どちらかというとルックスが先行している感は否めなかった。それが今はどうだろう。ここのところ、病気で声の調子が悪いブライアンの代わりにリードボーカルを取ることが多いニックは、本当に頼り甲斐のある男性に成長している。V6の最年少、岡田さんの俳優としての大活躍は言わずもがなである。V6の新規ファンの窓口の大半は彼が担っているといっても過言ではない。そして彼はそれに決して驕ることなく、昔と変わらない素直で真面目な性格のまま、V6としての活動を楽しんでいるように見える。

⑦家族のような雰囲気がある

①〜⑥と関連して、というか、①〜⑥の結果、BSBもV6も家族っぽい雰囲気を醸し出している。BSBに関しては、事実ケヴィンとブライアンは従兄弟同士である。そして、近年のインタビューで「僕たちはもうファミリーも同然」と発言している*5。よく"my brother"って言ってるしさ(それって英語圏的には割りと普通なのかしらん?)全員が既婚者となり、子供も生まれたりして、家族ぐるみの付き合いをしているようだ。
一方V6は、どのメンバーも「V6はV6でそれ以外の何者でもない」と言っており、自分たちを家族のようなものとは見なしていないようである。むしろBSBとは反対で、合宿所で同居していたデビュー間もない頃の方が家族意識が強かったのかもしれない。しかしV6のファンには、他のグループにはないその家族っぽさが好きという人が依然として多い。ファンから見た時にその雰囲気が魅力的であるのは間違いないようだ。
家族というのは、あらゆる関係性の中でも最も長い期間一緒に居る可能性が高いもの、と言えるだろう。好むと好まざるとに関わらず、一緒に居らずにはいられない、そんな関係だ。それが良い時も悪い時ももちろんあるだろう。しかしこの2つのグループにとっては、家族のようになること、がグループを長く続ける為の大切な一因になっているような気がする。

⑧スーパースターはいないが、全員が揃うと無敵になる

イン・シンクにはジャスティン・ティンバーレイクがいて、SMAP*6には木村拓哉がいる。誰もが認めるスーパースターである。BSBやV6にはそれに相当する人物はいない。失礼ながら、ソロで大ヒットを飛ばせるような人はいないと思う(まあキムタクも歌のソロは厳しいかもしれんが……)だが、彼ら自身はそのことをきちんと理解しているような気がするのだ。そして腐ることなく、全員で完全体になることを目指しているように思う。
BSBのハーモニーは5人が揃ってこそ輝く。なんであんなにそれぞれ声に特徴があるのに、重なった時に凄く美しいんだろう? ややリードボーカルを取ることが多い3人(ブライアン、A.J.、ニック)の声ももちろん好きなのだが、近年はそれぞれ高音と低音を担当する2人(ハウィー、ケヴィン)の職人技とも言えるハモりに惹きつけられてしまう。
複雑なフォーメーションダンスをこなすV6はやはり6人でなければいけない。ダンスにおいて偶数はセンターを作れないため、やや不利と聞いたことがあるけれど、彼らはそれをものともしない。むしろ決まり切った型がないからこそ、それぞれの魅力が引き立つ。そしてよく見ると個々のダンスには結構癖があって面白いのに、合わせると全体像は綺麗に見える。不思議だ。
例えるなら、彼らは仮面ライダーではなく、ゴレンジャーなのである。(逆に言うと、スーパースター木村拓哉を擁しつつも、現役でグループでの活動を続けているSMAPは稀有な存在だと思う。たぶん木村拓哉の性格が良かったとか、他のメンバーのポテンシャルが凄かったとか色々要因はあるだろうけど、普通はこう上手くは行かない気がする)

V6は自分たちを表現する時に、しばしば「職人気質な人たちの集まり」という言葉を用いるが、BSBにも同じものを感じる。「俺が俺が」な人がいない。でも私はそのチームプレイ感が凄く好きだし、いつまでも見ていたいと思う。
BSBもV6も、約20年活動を続けてきて、世間から何度も“落ち目”と言われてきた。“解散危機”という言葉の入った記事を何回見ただろう。それでも彼らが一定のファン数を維持しながら地道に新規ファンを増やし続けているのは、こういったチームプレイに大きな魅力を感じる人々がいるからだと感じている。「解散しない」という決断をする彼らを私はかっこいいと思う。彼らが20年間をかけて培ってきたチームプレイは私にとって、奇跡であり、希望であり、永遠に続いてほしい物語なのである。


BSBの最新アルバム「In a World Like This」(2013)から。この感じ!
POPSの球を直球で投げてくるBSBが大好きです。

バカ売れした代表曲も貼っておきますね。今聴いても古くないや。

権利の関係でV6の楽曲等はございません(残念!)代わりにおすすめのCDとDVD貼っておきます。

Oh! My! Goodness!

Oh! My! Goodness!

  • アーティスト:V6
  • 出版社/メーカー: avex trax
  • 発売日: 2013/02/20
  • メディア: CD
最新のオリジナルアルバム。POPSとしてのクオリティの高さよ。何度聴いても楽しい。
V6 live tour 2013 Oh! My! Goodness! (DVD2枚組)

V6 live tour 2013 Oh! My! Goodness! (DVD2枚組)

  • 出版社/メーカー: avex trax
  • 発売日: 2013/11/27
  • メディア: DVD
騙されたと思って(?)一度ライブDVDを観てください。いやー、おっさんたち(失礼)踊る踊る! キレッキレである。浅草キッド玉袋筋太郎さんもこれを観に行ってV6ファンになってしまったそうな。

*1:三宅健

*2:ラジオ「V6 Next Generation」1000回記念より

*3:エンタテインメントニュースサイト「HOLIK」インタビューより

*4:2014年10月20日放送「LIVE MONSTER」より

*5:「WEB女性自身」2013年8月29日より

*6:BSB全盛期の頃、良く「アメリカのSMAP」と例えられた。2005年、2007年には「SMAP×SMAP」にも出演