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姉と私のことーー【ブロガー連動企画】本をプレゼントした/されたエピソードについて

ふくろくんさん (id:Chachapo)がこんな記事を書かれていたので。

なんだか面白そうだな、と思い、私のエピソードを書いてみようと思います。

1.本の紹介

君はおりこう みんな知らないけど (角川文庫)
銀色 夏生
角川書店
売り上げランキング: 153,492

もらった本は、銀色夏生さんの「君はおりこう みんな知らないけど」。写真と詩の本です。
詩というよりも呟きや囁き、といった言葉の方が合いそうな、短いけれどため息が出るほど共感してしまう言葉の数々が詰まっている。特に表題になっている「君はおりこう みんな知らないけど」の文章の響きにはそこはかとない淋しさが溢れていて、何度読み返しても涙が出そうになる。

君はおりこう みんな知らないけど
君はおりこう みんな知らないだけ

君はおりこう 僕も知らないけど

「おりこう」という柔らかい言葉の感触と、「みんな知らないけど」という冷んやりとした現実の影。その対比に胸がきゅっと締め付けられる。そして、最後の「僕も知らないけど」。ここに「君」の深い孤独を感じ取って、なんだか泣きそうになってしまう。そんな、素敵な、素敵な詩。

2.本をくれた人との関係

この本を私にくれたのは、私のたった一人のきょうだいである6歳年上の姉だ。私は姉には随分と迷惑をかけたと自覚している。幼い頃から姉に理由のない対抗心を燃やしていた私は、姉に対して何度もきつい態度をとった。ちっぽけな自分のプライドを保つために、姉を見下すことが多々あった。
にも関わらず、姉は私がいじめられて部屋で泣いている時にその扉を開けて声をかけてくれたし、両親にかわって専門学校の学費を半分出してくれた。なぜ姉がそんなことを出来たのか、未だに私には不思議でしようがない。本当にわからない。けれどたとえ私が「どうして?」と聞いたとしても、姉は笑って「さあ、なんでだろうね?」と言うだろう。姉は、そういう人なのだ。でも、そんな優しい姉も、人知れず淋しさを感じていたことが、今になって少しずつわかるようになってきた。

以前、なんの経緯でそういう話になったのかは忘れてしまったけれど、姉と幼い頃の通信簿について話したことがあった。
「通信簿にね、親が子供の長所と短所を書く欄があったでしょ? ある時ね、お父さんとお母さんがそれを書こうとしているところに出くわしたことがあったの」
と、姉は言った。
「お父さんとお母さんはね、私について、『あの子の長所ってなんだっけ?』ってしばらく悩んでたの。あんた(私)の分を書くときはね、好奇心旺盛だとか頑張り屋だとかすらすら長所が出てくるのにね、私の時はなかなか出てこないの。それが、少し悲しかった」
姉はさして悲しそうにでもなく、そう言ったような気がする。でも、今ならわかる。姉はその時、本当に、悲しかったんだと思う。

「君はおりこう みんな知らないけど」
この本を姉その人からプレゼントされた時、私は姉の孤独に気づいたような気がした。

3.本をくれた理由

確か、私が高校生の時、誕生日プレゼントとして姉からもらったと記憶している。もしかしたらこの本は、姉から私へのサインだったのかもしれない。姉は絶対にそんなことは言わないだろうけれど。きっとただ笑って、「どうだろうね?」というだろうけれど。私はそんな姉が大好きだし、世界で一番、信頼している。

君はおりこう 僕は知っている。

って言ったら、あなたは笑ってくれるだろうか。