それから

ちょいと読んでかない?

恋人(仮)

たぶん恋人ができた、と思う。「たぶん」とか「思う」とか、断定的な言い方を避けているのは、以前、「付き合おう」と言われた数日後に音信不通になった男性がいたから。今回は今のところ「付き合おう」と言われてから2週間と少しが経っている。 先週末、初…

睡眠

新宿に友人と映画を観にきた。観にきた、のだが、始まって20分も経たない内に奇妙な感覚が私を襲い、耐えられなくなって劇場を後にしてきてしまった。どういう感覚かというと、どこかに眠気があるのに目が勝手にかっと見開いてしまって閉じることができず、…

料理についての個人的な考察

最近自炊をするようになった。ルーティンはこうだ。朝4時頃に起きては簡単なサラダとトーストに目玉焼きをのせたものなどを作って食べ、昼は飛ばして15時くらいから夕食をぼそぼそと作る。メニューはもちろん日によって変わるが、最近はハンバーグや肉じゃが…

ライ麦畑でつかまえて

詳細は省くけれど、2月の半ばから仕事を休んでいる。それで最近精神科の病院を変えたところ、とても良い先生に巡り合えた。先生からは復職OKと言われている。ところが、職場からは傷病手当金をもらってもう少し休んではどうかとのこと。意見の食い違い。私と…

白髪について

20代の頃から、右側の前頭部に固まって白髪が生えてくる。左側の前頭部や後頭部にはなく、右側の前頭部、そこだけに密集して白髪が生えてくるのだ。白髪染めをしているので現状は白髪は前頭部だけにとどまっているが、染めなければ私の髪はディズニー映画の…

桜海老とメンヘラ

久しぶりに日本酒を飲んだ。 新宿駅から歩いて数分の、海鮮を売りにした狭い店だ。金曜の夜ということもあってか、店内は人で溢れかえっていた。意外にも狭さに反して四人組や団体の客が多いようで、二人連れの客は私たちだけのようだった。店の隅の小さなカ…

折り畳み傘と理解の源

久しぶりに映画館で映画を見た。見る前は集中力が続くか、眠気が来ないか少し不安だったが、107分の間多いに楽しめた。映画館という箱には人を没入させる魔法がかかっているのかもしれない。ミニシアターの一番後ろの席には清潔な空気が流れていた。 映画館…

ポリシー

ふと思い出したことがあった。昔、転職する前、大きな組織で働いていた時、私にこう言ってきた取引先関係の人がいた。 「お金に困っているなら定期的にご飯に連れってってあげるよ」と。妻に先立たれた(おそらく)五十代の男性だった。 「お断りします。私…

床の色と前髪と天井

床の色を変えろ、と、村上春樹の「風の歌を聴け」のように言ってみる。最近、六畳一間の床の色を変えた。と言っても、賃貸なので「置くだけフロアタイル」なるものを敷き詰めただけである。だけであるが、冴えない茶色い床がホワイトオークの床になっただけ…

自己評価と他者評価

散歩をした。片道2kmの往復4km。近所の桜並木の幅の広い遊歩道だ。桜はもう緑の葉に姿を変えてしまっていて、嗚呼、今年もまたお花見できなかったな、と思いながら、歩を進める。面白かったのは、樹木の葉は青々とした緑なのに、コンクリートの道には無数の…

小説が読めない、そして音楽

本を開いて文字を拾って見ても、単語がうまく脳に溶け込んできてくれなくて、小説を読むってことができなくなっている。これはなんだろう、と思って、諦めてYouTubeを見たりするのだがなんだか罪悪感を覚えてしまう午後二時。小説というものに高尚さを感じて…

被害者と加害者

Amazonプライムで「塀の中の少年たち -なぜ彼らは殺人を犯したのか-」というドキュメンタリーを見た。 www.amazon.co.jp あらすじ(「Amazonプライム」より引用) アメリカでは、少年犯罪者ながら終身刑を言い渡された者が2000人を超える。2012年、最高裁に…

素人の文章を読むこと

昔上司に言われた言葉で印象に残っている言葉がある。私が「ブログを書いている」という話になった時に、「俺、素人が書いた文章を読むのに自分の時間を割きたくないんだよねえ」というひと言を言われた。なるほどわからんでもない。わからんでもないが、何…

足りているもの

4月14日は両親の結婚記念日だった。LINEで母におめでとうを伝えると、「忘れてた!」とひと言。43回目ともなるとそんなものなのかもしれない。その後に続いたのは、「43年、長いよね。お父さんの懐の大きさのおかげです」とのこと。そう言える関係に改めて両…

まだ、死にたくない。

少し前に子宮体がんの検査を受けたのだけど、再検査が必要だと言われた。今までこういう健康診断的なものに関してはいつも軽い貧血以外は「異常なし」だったので、怖いというより驚いたという感覚があった。ああ、自分も癌とかなるかもしれんのやな〜と。何…

わからない男は愛おしい

彼氏だと思ってた人が彼氏ではなかったみたいだ。 「つきあおう」と言われたのだけれどその1週間後ぐらいから音信不通になった。LINEは未読スルー。通話を鳴らしても一向に出ない。脆弱な関係。 最初から身体目的だったのか、何か気に食わないことがあったの…

2021年の音楽生活を振り返る

2021年が終わり、2022年が始まった。Apple Musicに加入しているのだけど、その中で「リプレイ:2021」というプレイリストが自動的に作られていて、何だろなと思って見てみたら、昨年私が良く聴いた曲をまとめてくれていたものだった。なるほど便利な時代だ。…

正直しんどい

職場で男女の出逢いというものが一切望めないので、二、三年くらい前から俗に言うマッチングアプリというものを利用している。メッセージをやりとりした人は数知れず。100人は確実に超えているだろう。一回だけ会った人はその内30〜40人くらいだろうか。お付…

普通ってなんだろね

少し前に映画「花束みたいな恋をした」を見たのだけど、主役の男女が思い合ってたのにすれ違っていく辛さとかそういうのより何より、いちばん心に刺さったのは、麦くん(菅田将暉)が大好きだった本とか読まなくなってパズドラしかする気力がなくなってく様…

何かに縛られて生きるーー「ノマドランド」

searchlightpictures.jp 映画「ノマドランド」を観た。昨年、ベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞し、さらには本年度のアカデミー作品賞・監督賞・主演女優賞の三冠を達成した作品だ。 リーマンショックにより住む家と夫を失った高齢女性・ファーンが、キャ…

瑛人のアルバム「すっからかん」を聴いたら凄かった

2021年最初に聴いたアルバムは瑛人の「すっからかん」でした。年末の歌番組で彼が「香水」を歌う姿を見て、歌詞にあるようにまさに「今更」なぜか興味を持った流れでアルバムをダウンロード。聴いてみると彼のそのストーリーテラーっぷりに驚いてしまったの…

オンライン帰省ーー平面の父と「その時」

とにかく正月休みでやることがないので、せっかくはてなブログPROにして毎年お金を払っているんだし、ブログを連続投稿してみる。だからといって急に面白いことが書けるわけではないんだけれど、別にそれは良くて、今はブログを書くという行為そのものに意味…

コロナ禍に独りでいるということ

年が明けました。2021年。2020年はとにかくコロナウイルスに支配された年だったわけだけど、幸いにも私自身は罹患することもなく、金銭的にも困窮することなく(むしろ基本給もボーナスも上がった)、辛かったのは慣れないリモートワークで狭い一人暮らしの…

ビートルズは唯一の魔法ーー「イエスタデイ」

イエスタデイ (字幕版)ヒメーシュ・パテルAmazon あらすじ(「ぴあ映画生活」より引用) イギリスの海辺に住む、売れないシンガーソングライターのジャック。スターの夢を諦めかけた彼は、ある日交通事故に遭い昏睡状態に。やがてジャックが目を覚ますと、な…

優しい人

まったく眠れずに久しぶりにブログを書く。午前2時。 私がブログを書くのは眠れない時だけなのか。なんだかそんな感じになってしまっているな。 明日(というよりもう今日)はオンラインミーティングが朝から夕方までびっしり入っている。 一番最初のミーテ…

人が平面に見える

午後11時24分。まったく眠れる気配もなくこのブログを書いている。夜のふわふわした頭で、コロナ禍の今の状況を未来人に向かって伝えようと思う。明日起きて読み返したら後悔するかもしれないけど、まあいい。未来人よ、これが2020年の日本人だ。 2020年4月3…

茶色い座椅子ーーいま私にできること

こんな時、自分にできることは何もない、と思っていた。 私は医療従事者でもないし、運送業者でもコンビニやスーパーの店員でもない。ゴミ収集業者でもなく農業に従事しているわけでもない。仕事はクリエイティブ業界なので、有事の際に極論「不要」ともとれ…

過去を振り返る奇跡

3月も半ばだというのに、今日、雪が降った。ホワイトデーだけれど、お返しをくれる人はおらず、特にそれを悲しいとも思わず、布団に包まって、ずっとplentyの曲を聴いていた。解散してしまったのが今でも淋しい。plentyを聴くと、なんだかいつもちょっぴり、…

King Gnuがきらめく音楽に昇華させたある種の諦念のこと

ここのところずっとKing Gnuを聴いている。 昨年の紅白歌合戦に出ている姿を見たのが彼らを知ったきっかけだから、まだまだ紅白歌合戦の影響力って侮れないよな。 彼らの音楽はとても素晴らしい。特にとても天気の良い朝、窓から降り注ぐ眩しい光とともに聴…

愛情を注ぐということーー「お家賃ですけど」能町みね子

この世には二種類の人間がいる。同じ場所に住み続けるのが好きな人間と、そうではない人間だ。私は明らかに前者の人間で、もうかれこれ今のマンションの部屋に住んで8年になる。いままで付き合ったどの男性よりも長い期間付き合っている。もうこの部屋と結婚…